今回のテーマは、返信が遅い人への対応策についてです。
「返信が遅い人は仕事が出来ない」
私もそう思います。
しかし、より正しく表現するならば「私にとっては仕事が出来ない人」であって、「その人自身が仕事のできない人」かどうかは分からない。と感じています。
この記事では、私の経験から返信が遅い人について具体的な対策も含めてまとめています。
この記事が参考になる読者
- 返信が遅いメンバーや委託先の取り扱いに困っている
- なぜ返信が遅いのか?その理由が分からない
- 返信が遅い人とどう向き合うべきか悩んでいる
今回は、こうした方に向けた記事です。
推進が難しい組織横断プロジェクトを経営企画担当としてマネジメントする中で得た経験から実践的な内容にまとめています。
この記事で得られるもの
この記事を読むことで、
- 返信が遅い『本当の理由』が分かります
- 返信が遅い人への具体的な対応策が分かります
「返信が遅い人は仕事ができない。だから即レスしよう!」という類のコメントがネットには大量に転がっていますが、仕事をしていて一番困るのは自分の返信の遅さではなく、相手の返信の遅さですよね?
そういう人との関わり方についての具体策はほとんど語られていません。
今回は、まさにその誰も発信しない実践的な部分を深掘ってお届けしたいと思います。
この記事の結論
- 返信が遅い本当の理由はその案件に対する熱量が足りないから
- 熱量と優先度を上げてもらう対策をする
- 自分自身に関心を持ってもらう対策をする
それでは、進めていきます。
返信が遅い本当の理由
返信が遅い理由、それはあなたの依頼する内容にあまり関心がないからです。
そこにはいくつか原因が考えられます。
返信が遅い本当の原因
- 案件に対する熱量が低い
- 別の案件より優先度が低い
- あなた自身に関心がない
案件に対する熱量が低い
その人にとって重要な内容であれば、積極的にやり取りをしてくれるはずです。
人間というのは興味関心のある物事に対しては労力を惜しまず行動します。
あなたの連絡に即レスするほどの熱量が相手に欠けている可能性があります。
別の案件より優先度が低い
その人にもやることがあるわけで、その人なりに優先順位を付けて行動しています。
あなたに返信を返す以上に重要なことを抱えているはずです。
あなたの連絡内容そのものへの熱量だけでなく、他の案件と比較していることも理解しておく必要があります。
あなた自身に関心がない
例えば、好きな人から深夜に連絡が来れば即レスしますよね?私はします。
人間なんてそんなものです。
つまり、案件の内容がどうか?というだけでなく「誰から来た連絡なのか?」という感情的な判断もあるわけです。
以上が返信の遅い理由とその原因です。
もちろん、返信が遅いことで仕事は停滞しますから、その人の返信の遅さが阻害要因になっていることには間違えがありません。
その意味では、こちらからすれば、その人は仕事が出来ない人と判断して然るべきです。
しかしながら、それは単なる結果でしかありません。
我々がやるべきは、仕事を遅滞なく前進させることであって、返信が遅い人を仕事が出来ない人だと評価することではありません。
返信が遅いことで仕事が遅延しているという課題に対して「どう行動するか?」という高い視点からこの問題と向き合うことが一流のビジネスマンではないでしょうか。
返信が遅い人への対策
ここからは、そんな返信が遅い人に対するアクションについて実践的にまとめています。
原因は特定できているので、その逆に目を向けることが重要です。
原因:熱量・優先度が低い
☞熱量・優先度を上げるためのアクション
- 相手のメリットを伝える
- 案件の目的を伝える
- 相手のデメリットをなくす
相手のメリットを伝える
その案件に強く関わることでその人にはどんなメリットがありますか?
「この仕事の担当はあなただからあなたがやるべきだ」という正論はなかなか通用しません。
関わることで得られるメリットの理解度を上げることが重要です。
案件の目的を伝える
そもそもなぜやるのか?が分かっていないとただの作業と捉えられてしまいます。
有名な話で「3人のレンガ職人」があります。
積んでいる人に「何をしているのか?」と尋ねると、
- 一人は、レンガ積みをしている
- 一人は、大きな壁を作っている
- 一人は、歴史に残る偉大な大聖堂を立てている
と答えたと言います。
まさに何を見て行動しているか?でその人の熱量や優先度は決まってきます。
つまりは、行動する価値をどれほど相手が強く持っているか?が重要だということです。
相手のデメリットをなくす
目的は分かっているし、メリットにも魅力がある。と分かっていても行動できないのが人間です。
それは返信一つ取っても同じことが言えます。
そこにリスクやコストがある場合、人は動くのをやめてしまいます。
今回のケースで言えば、承認依頼の連絡に対して「承認したら失敗したときの責任を取らないといけないかもしれない」とか、そもそも依頼の内容が読解困難で「何をしたらいいか分からない、何が言いたいのか分からない」とか、返信する際には必ずリスクやコストが頭をよぎります。
こうした返信することのデメリットを排除して、返信しやすい環境を作ることが重要です。
原因:関心がない
☞好きになってもらうアクション
- ギブする
- 自己開示する
このアクションはこの記事の枠を超えてヒューマンコミュニケーションスキルそのものです。
ここでは簡便な説明に留めますが、仕事でもプライベートでも極論これが一番重要です。
相手の行動を疑う前に「自分は相手のギブしてもらう価値があるのか?」を問うべきかと思います。
ギブをするというのは、まずはこちらから相手の困りごとなどを解決してあげるということです。
「即レスしてほしい」のであれば、即レス以上のギブを与えておく必要があります。
自己開示をするのは、相手の判断軸を依頼内容から自分自身への関心に切り替える最高のアクションです。
まずは自分をさらけ出し、どんな人間なのか?を理解してもらうことが重要です。
番外編
- 人事異動や依頼先を変更する
個人的にはこうした判断も視野に入れるべきだと思っています。
無理やり熱量や優先度を上げようとしてもコストがかかりますし、結局相手次第のところもありますよね。
であれば、無理やり相手の行動を変えようとするのではなく『もっとコミットしてくれる人を変えてしまう』という手段も検討すべきだと思います。
それがもし取引先相手であれば、契約をやめて新しい取引先を探すことも当たり前だと思います。
つまり、仕事を迅速に前に進めるために、返信が早い人を起用するという経営視点を常に持つことが重要だというわけです。
返信をわざと遅くするテクニック
最後に少し角度を変えて、返信を遅くする心理術について触れたいと思います。
仕事では明確にタスクがあり、スケジュールがあるわけなので、返信が遅いことはほとんどのケースで悪です。
しかしながら、返信が遅いことによってコトが上手く前に進むケースもあるのです。
例えば、好きな人とのメールでなかなか返事が返ってこない時、あなたは何を考えていますか?
その間ずっと相手のことを想い、ようやく返信が来た時にはもっと興味を持っていたりしませんか?
これは心理学では「ツィガルニック効果」といって「未完成の課題についての記憶は、完了した課題についての記憶よりも想起されやすい」という現象です。
つまり、メールはコミュニケーションなので、返信があってはじめて完結するわけですから、返信が来ない状態=未完成の課題として記憶に残りやすくなります。
私はこのテクニックを仕事で使ったりしています。
例えば、飲み会の誘いやプレゼンの依頼なんかは、返信をわざと遅らせたり、なかなか予定が合わない人間を演じています。
もちろん単に忙しいこともありますし、やり過ぎて嫌われないようにいい塩梅を保ってはいますが、予定が取れないという希少性の効果も相まってデキるビジネスマンのブランディングに成功しています。
まとめ
- 返信が遅い本当の理由はその案件に対する熱量が足りないから
- 熱量と優先度を上げてもらう対策をする
- 自分自身に関心を持ってもらう対策をする
それでは、また!