今回のテーマは、仕事の推進力を高めるメール術についてです。
リモートワークが加速して、メールやチャットの重要性が高まっています。
文章によって相手を動かし仕事を効率的に進めるためにはそれなりの技術が必要となります。
しかしながら、きちんとそのスキルを習得する機会がないことも事実で、私が受け取るメールの多くが『残念な内容』であることがそれを証明している気がしています。
この記事が参考になる読者
「メールやチャットの使い方を正しく知らない」という方は多いのではないでしょうか。
- 労働生産性を高めて仕事で成果を上げたい
- 仕事が出来る人の行動を知りたい
- メールやチャットなどの文章作成に苦手意識がある
こうした方に向けて、明日からすぐに使える具体的なテクニックについてまとめています。
この記事で得られるもの
この記事を読むことで、
- 明日から実践できるメールテクニックが学べる
- 生産性を上げる即戦力のビジネススキルが身に付く
メールやチャットは仕事において多くの時間を費やします。
仕事が出来る人はこのような頻繁に時間を奪われるタスクに対して徹底的に効率化し、成果が上がるための技術を習得しています。
この記事では、私が経営部門で組織横断プロジェクトを推進する中で、どうすれば早く大きな成果に近づけるかを試行錯誤した経験からお伝えしたいと思います。
この記事の結論
- メール・チャットは仕事の受け渡しのツールである
- 相手がすぐに動けるかどうかを意識して作成する
それでは、進めていきます。
仕事が早い人のメール術
仕事が早い人はメールの本質を正しく理解しています。
メールというのは「タスクの受け渡し」を行うコミュニケーションツールです。
つまり「タスクを誰がいつまでにやるのか?」をお互いでボールを渡し合っている、というのがメールの本質です。
ですから、仕事が早い人というのは、この「タスクの受け渡し」が上手い人のことを言うと私は考えています。
仕事が早い人のメール術
- 自分がなるべくボールを持たない
- 相手がストレスなく行動できる
- 行動と時間の管理を徹底している
自分がなるべくボールを持たない
当たり前ですが、誰かがタスクを進めないと仕事は前に進みません。
相手から受け取ったメールが放置されている時間は、誰もタスクに取り掛かっていない状態です。
その時間を極力0にすることができれば、無駄な時間を削減できます。
つまり、即レスがメールにおいては大原則となります。
これは自分がタスクを進める場合においても同じです。
タスクをメインで進めるのは自分だとしても、その先を見据えて、事前に相手に次の準備をしてもらったり、予め理解を深めておいてもらうこともできるはずです。
だからこそ、なるべく相手にボールを持たせて仕事を前に進めてもらうことを意識するだけで仕事のスピードは各段に早まります。
相手がストレスなく行動できる
よく本文を読んでも「自分が何をすればいいのか?」が分からないメールを受け取ることってありませんか?
私はかなりの確率でそういう難解なメールに遭遇します。
その都度、「こういう認識で合ってますか?」とか「このタスクを進めるという理解で正しいですか?」とか、わざわざ確認の返信をすることになります。
これって非常に効率が悪いですよね。
時には、「これは依頼ではないな」と判断して放置していると「ボール渡したつもりだったんですけど!」とか言われて焦ることもあります。
メールは「伝えた」ことがゴールではなく「伝わった」がゴールです。
この違いは分かりますよね?
「伝わった」というのは、相手が自分が取るべき行動が理解できていて実際に行動できている状態です。
その状態を作り出せるメールの内容を意識することが重要です。
行動と時間の管理を徹底している
相手がストレスなく行動できることにも近しい話にはなりますが、仕事を前に進めるということは行動と時間が管理されている必要があります。
一番分かりやすいのは締切期日です。
締切を伝えると相手にプレッシャーをかけているようにも感じるため、多くの人が締切を伝えていません。
誰がいつまでに何をするのか?を徹底的に管理することを意識することが重要です。
また、行動の管理についても同じくで、ふんわりとした依頼はやめましょう。
相手の解釈に頼った依頼の仕方では、成果物にブレがでてきます。
例えば、
- 「飲み物を買ってきてほしい」
- 「お茶を買ってきてほしい」
- 「伊右衛門を買ってきてほしい」
- 「500mlのペットボトルでコールドの伊右衛門でお願い」
これだと上に行くほど何を買ってくるかにブレがでてきますよね。
買い物だと簡単なことが仕事の依頼では全然できていない、なんてことは結構あることです。
明日から使えるメール術
仕事が早い人はどんな意識でメールを活用しているのか、は理解できたと思います。
ここからは具体的な実践テクニックについてまとめています。
メールだけではなくチャットにも応用ができる本質論なので、ぜひ明日から実践してみてください。
デキる!メール術4ステップ
- 宛先の選び方
- タイトルの決め方
- 本文の作り方
- 送るタイミング
①宛先の選び方
- 宛先には多くて2人まで
- Ccに『とりあえず入れておく』は絶対NG
メインに行動してもらう人を宛先に、サブで行動してほしい人をCcに入れます。
情報を共有しておいたほうが良い人をCcに羅列するのはNGです。
自分の身になって考えてみれば分かることですが、Ccに入っているメールは本気で読み込まないですよね?
もし情報共有をしたい人がいる場合は、その人に情報をどう理解しておいてほしいのか?を明確にして宛先に入れて別に送るようにしましょう。
②タイトルの決め方
- 相手に取ってほしい行動を明記する
- 具体的な行動内容を明記する
相手に取ってほしい行動を明記する
『承認』『依頼』『相談』『報告』
具体的な行動内容を明記します。
先ほどの飲み物の買い出しを例にすると、
- 飲み物の買い出しの件
- 買い出しの飲み物について
ではなく、
- 飲み物を買ってきてください
- 買ってきてほしい飲み物はお茶です
くらい具体化しましょう。
軽く文章になっても良いです。
堅苦しい単語が並ぶよりも柔らかく日常会話くらいの方が伝わりやすいです。
パッと見てすぐに内容が理解できることが目的なわけですから、賢そうな文章ではなく子どもでも分かるくらい分かりやすい表現を使う事を意識しましょう。
③本文の作り方
- 書かないことを徹底する
- 情報を区切る
書かないことを徹底する
御礼や謙遜、敬遠などはやめましょう。
自動入力できたとしても受け手にとっては見づらくもなりますし、この文章自体、中身のない情報です。
自分を守ったり、相手のご機嫌を取るようなことは勇気を出して排除すべきです。
無礼な内容にしろ、ということではなく、分かり切っている無駄な文言を無くしましょう、という意味です。
ほとんどの人はこうした文章が無かったからと言って不機嫌になったりキレたりすることはありません。
私の経験上、ごくわずかな人がこういう無意味なことに執着していますが、あまり気にする必要はありません。
情報を区切る
例えば、依頼ひとつをとっても依頼したい内容と依頼する際に相手に伝えておくべき条件や背景などの内容とが文中に含まれます。
そうした複数の情報が文中に混在すると非常に読みづらくなるため、情報を区切ることで読みやすくします。
個人的にお勧めなのは、目次を作ることです。
文章が続くよりも、体系化されていて見やすくなるので、見落としも減ります。
実際に好評なので是非真似してみてください。
無駄なことを書いたり、情報がただただ羅列されているものと、メール術を使って作った本文を見比べてみてください。
実際の例文
社内で法務部とやり取りするメールを例にしてみます。
○○様
いつも大変お世話になっております、●●部の○○と申します。
先日は●●の件で、ご尽力いただきとても助かりました。
こちらとしてもぜひ引き続き連携できればと思っております。
さて、本日は、契約書の添削の件でご連絡させていただきました。
本件、●●契約書を締結するにあたってひな形に不備がないかのご確認を事前にいただきたいと考えております。
つきましては、不足する条項がないか、内容に齟齬がないか、不利になる文言が入っていないかなどの確認をしていただきたく存じます。
お忙しいところ大変恐縮ですが、添付ファイルをご確認いただき、上記の内容にて添削くださいますようお願い申し上げます。
添削いただきましたら、私宛にご返信いただければ幸いです。
それでは、引き続きよろしくお願い申し上げます。
○○様
お疲れ様です。
[ご依頼]
先日の件で今回は、契約書の添削をお願いいたします。
期日:●月●日●曜日の●時迄
*スケジュール上、難しい場合はぜひ日程をご提案ください。
[添削内容]
・不足する条項の有無
・内容の齟齬の調整
・不利になる文言の削除
*先方には開示する前のドラフトです。
*添付ファイル参照
進める上で、不足する情報があればご連絡ください。
どちらが見やすく分かりやすいでしょうか?
こうやって比較してみると悪い例のメールやチャットって非常に多く見かけますよね。
実際私もはじめは『悪い例』のメールを打ちまくっていました・・・。
まとめ
- メール・チャットは仕事の受け渡しのツールである
- 相手がすぐに動けるかどうかを意識して作成する
それでは、また!