トップ販売員が実践する必ず売れる接客テクニック
週末によく買い物に行くのですが、ほとんどの販売員は商品の売り込みしかしてきません。
いかに素晴らしい商品なのか?に縛られていては、いつまで経っても思い通りに売上は上がりません。
この記事では、私が売上全国1位を取ることができた時に、特に決定率の高かったテクニックを共有してます。
この記事を読むことで、売り込みナシの会話術が身に付きます。
営業、販売の成約率が飛躍するだけでなく、どんな商材にも応用が可能なので、セールスマネジメントにも活用できるようになります。
今回紹介する具体的なテクニックを身につければ、正直商品知識がなくても売ることができるようになります。
ぜひご自身の商材に置き換えながら読んでいただければと思います。
この記事の結論
- 限られた接客時間では、お客さまの想いと想像力に重きを置く
- 使用シーンを具体的にイメージできるまで質問し続ける
- 4ステップで話を展開してお客さま自らに買いたいと言わせる
それでは、商品説明がNGな理由から話を進めたいと思います。
接客にはタイムリミットがある
なぜ商品説明がNGなのか?を説明する前にその前提を整理したいと思います。
それは『接客の時間制限』です。
接客できる時間は限りがあるということをまずは認識する必要があります。
もう少し具体的に言えば、接客できる時間が5分なのか1時間なのかは、そのお客さまを見ただけでは分からないということです。
であれば、「もし5分しか与えられないとしたら、その限られた時間で買ってもらうためには何を優先的すべきか?」と常に考えておく必要があります。
結論から言えば、商品説明に時間を割くというのは、この論点においては優先度が低いということになります。
なぜそう考えるのか?を説明していきます。
ニーズはお客さまのみぞ知る
商品説明というのは『商品の良し悪しの特徴を伝える』ということです。
メーカーや販売員が推したいセールスポイントとお客さまが知りたい関心ポイントの間にギャップがある場合、お客さまにとっては商品の説明をされている時間が無駄に感じられてしまうことでしょう。
だからこそ、商品説明というのは接客の中でも後回しの作業。まずはお客さまのニーズを引き出すことが優先される必要があります。
興味のない商品説明を受けることに時間を割けるほど、お客さまの時間は安くはありません。
なぜそれを買うのか?なぜ買わぬのか?
では、商品説明よりも優先されるべき接客とはどのようなものでしょう。
私は『買うべきストーリーをお客さまと一緒に作り上げること』だと考えています。
具体的な手順で説明します。
- 商品のどこを気になったかを聞く
- なぜそこが気になったかを聞く
- どう使おうとしているかを聞く
- 実際に使ってもらう見てもらう
ヒトには「買おう」と決断するタイミングがあります。
それは、商品そのものの価値が理解できた時ではありません。
その商品を使って満足している自分がイメージできた時です。
そのイメージが出来てはじめてお客さまは商品に対して付加価値を感じるわけですから、優先すべきは商品軸の会話ではありません。
お客さまの暮らしにフォーカスした会話を徹底することが非常に重要となります。
ニーズを引き出す接客テクニック
皆さんが具体的にイメージしやすいようにデジタルカメラを例に説明します。
商品のどこを気になったかを聞く
- グリップ感や軽量感が心地よい
- 手ぶれ補正やシャッタースピードが早い
- 伝統的なデザイン、近未来的なフォルムが素敵
なぜそこが気になったかを聞く
- 1日中使う時があるからなるべく重くないものがいい
- 子どもの運動会で動く被写体を撮るのに使いたい
- 首から提げててもファッションになるようなものが欲しい
どう使おうとしているかを聞く
- 登山やハイキングで使いたい
- 遠くから子どもが走るのを撮影したい
- 街歩きでファッションアイテムとして持ち歩きたい
実際に使ってもらう見てもらう
- 類似商品と重さを比べてもらったり、疲れにくいグラム数を伝える
- 望遠ズームの必要性や、実際のシャッタースピードを体感してもらう
- デザインに力を入れていることなど開発段階のエピソードを伝える
これだけだとちょっとイメージしづらいかもしれません。
要するに、どの商品がいいのか?という視点を一切取り除いて、どうやって使うのがいいのか?というお客さまのライフスタイルや想いに視点を持っていくことが大切だという事です。
4ステップ会話法
より分かりやすく、この手順ごとに会話を進めた時のイメージを描きました。
Step.1 商品のどこを気になったかを聞く
Step.1では、会話を進めるきっかけ作りが重要です。カメラが気になっている、ではなく、カメラのどこに関心があるのか?を突き止めることで、どうしてそこに関心を持っているか?という方向に会話を進めていくことができます。
Step.2 なぜそこが気になったかを聞く
Step.2では、関心ポイントを更に深掘りしていきます。お客さま自身でも気づいていなかったニーズが出てくることもあるため、たくさん話してもらうことを心がけます。例えば、今回では複数出てきたキーワード「運動会」「息子」「小学生」を更に広げて質問していくことで「サッカーの試合でも使いたい」という新しいニーズを掘り出しています。
Step.3 どう使おうとしているかを聞く
Step.3では、「外で使いたい」ではなく「具体的にどうやって使いたいのか?」という具体的な使用シーンをイメージしてもらうことに注力します。そうすることで、カメラが必要なシチュエーションがたくさん浮かんできて、どんなカメラが理想なのか?というニーズの言語化ができてきます。今回では、当初は「運動会で使う予定」だけだったのが「週末の外出先で夫婦揃って使いたい」という具体的なシーンまで広げることができています。
Step.4 実際に使ってもらう見てもらう
Step.4では、これまで深掘りして使用イメージを具体化してきたことに沿って、実際に体験してもらうことに注力します。体験できないような商材であれば、説明だけで結構ですが、その時は商品説明ではなく、「これなら、お客さまのイメージにぴったりです」と使用シーン視点で話すことを意識します。
抽象的ですが、こんな感じでしょうか。
「この商品にはこういう特徴があって、、、。」という商品アプローチは絶対にしません。
どんなシーンで、どんな使い方をしたいのか?というアプローチを試してほしいと思います。
私は以前の職場で、このアプローチを教育マニュアルとして落とし込んで講義をしたことがありますが、とても好評でした。
マネジメント職や人事担当の方にも参考になればと幸いです。
まとめ
最後にこの記事の要点をまとめます。
- 限られた接客時間では使用シーンがイメージできるかが重要
- 関心ポイントを探って会話の筋道を掴む
- 使用シーンを詳細に考えてもらってニーズを可視化する
- 出てきたキーワードを更に掘り下げて追加の用途を探る
- 出そろったイメージに沿って実際の使用感を体感してもらう
言われてみれば簡単当たり前のことのように感じると思います。
しかし、買い物に出かけて、これをしっかりと出来ている販売員は10%もいません。
「良かったら、試着してみてください」
「別のカラー、別のサイズ、ありますよ」
「それ可愛いですよね」
「それ今一番人気なんです」
こんな会話がありふれてませんか?
お客さまが話す時間が長ければ長いほど、勝手に買っていってくれる確率は上がります。
ぜひ4ステップを実践して、この感覚を掴んでいただければと思います。
それでは、また!